なぜ「この電話は迷惑電話防止のため録音されます」と伝えるのか?
「この電話は迷惑電話防止のため録音されます」というメッセージは、相手への抑止効果と、こちらの心理的安心感の両方に働きます。
たった一言で、詐欺対策・主導権の確保・トラブル予防を兼ねる強力な手段となるのです。少し詳しくみておきましょう。
① 迷惑電話・詐欺対策としての効果
このメッセージは、相手に“録音されている”と自覚させることで、不正な発言や詐欺まがいの勧誘を抑止する目的があります。
特に近年は、オレオレ詐欺や不審な営業電話などの被害が増えており、録音が重要な証拠として使われるケースも少なくありません。
録音されるとわかっている状況では、相手もむやみに嘘をついたり、威圧的な言葉を使ったりしにくくなります。つまり、このメッセージ自体が、抑止力として機能するというわけです。
② こちら側の安心感と主導権
もう一つの大きなポイントは、こちら(発信者/受信者)の安心感を得られるという点。
電話の最初に録音の旨を伝えることで、「自分の言動も記録に残るけれど、相手の言動も記録される」と思えるため、不安や恐怖を感じにくくなります。
特に高齢者や一人暮らしの人にとっては、「録音されてるから大丈夫」という意識が安心感につながります。
また、このようなメッセージを流すことで、相手に「ちゃんと管理された環境で通話している」と印象づけることができ、こちらが主導権を握れるというメリットもあります。
つまり、「録音されます」というだけで、迷惑電話を事前に防いだり、会話の内容をきちんと残すことでトラブルの回避につながります。
スマホにこの機能を設定したいという人が増えているのも、納得の理由と言えるでしょう。
スマホで「この電話は録音されます」と自動で流すことはできる?
スマホ機種 | 自動メッセージ | 録音機能 | 対応策 |
---|---|---|---|
iPhone | ❌ | ❌(基本不可) | 留守電/外部機器 |
Android(Galaxyなど) | ❌ | ✅(一部機種) | 録音アプリ活用 |
ドコモスマホ | ❌ | △(サービス次第) | 迷惑電話対策アプリ |
残念ながら、スマホ単体ではこのメッセージを自動で流す設定はできません。iPhone・Androidともに、通話の最初に音声を自動再生する機能は標準では搭載されていないからです。
ただし、代替手段を使えば“似たような効果”を得ることは可能です。以下でその方法を紹介します。
スマホには「自動音声メッセージ機能」は搭載されていない
通話開始時に録音済み音声を自動で流す、といった機能は、iPhone・Androidどちらにも現在のところ標準で備わっていません。
とくにiPhoneは、通話録音や音声の挿入に制限が多く、こうした設定はできない設計になっています。
代わりにできること|3つの代替手段
代替え的な手段はこの3つです。
✅ 留守番電話メッセージを編集する
不在時に流れる挨拶メッセージを「この電話は録音される可能性があります」などに変えるだけでも、抑止力として機能します。
✅ 録音済み音声を手動で流す(手間あり)
スピーカーをオンにして、録音アプリなどで再生することで、自作のメッセージを冒頭で伝えることも可能。完全自動ではないですが、手軽な工夫です。
✅ ビジネス向けの自動応答システムを使う
コールセンターなどで使われるIVR(自動音声応答)システムには、「録音されます」などのメッセージを自動で流す機能があります。個人利用は難しいですが、法人や業務利用には有効です。
スマホだけでの自動再生は難しいが、「録音されます」は実現可能
スマホの標準機能では自動メッセージの再生はできませんが、留守電の編集や録音済みメッセージの再生など、代替策で“録音されています”と伝えることは可能です。
では次に、iPhone・Androidそれぞれでできる具体的な方法を詳しく見ていきましょう。
iPhoneでの設定方法と代替案
iPhoneユーザーからよく聞かれるのが、「iPhoneで“この電話は録音されます”って流す方法、ないの?」という疑問。
残念ながら、iPhoneには通話の録音や自動音声メッセージ機能は標準で搭載されていません。これはAppleのプライバシー保護の方針によるもので、他のスマホと比べても制限が厳しめです。
とはいえ、完全に何もできないわけではありません。以下に、iPhoneでできる代替手段をご紹介します。
1. 留守番電話メッセージを活用する
iPhoneの標準機能として利用できるのが、留守番電話メッセージのカスタマイズ。
これを使って、こんな風にメッセージを録音できます:
「この電話は迷惑電話防止のため、録音される可能性があります。ご了承ください。」
このような内容を設定しておけば、着信時に自動で相手に伝えることができ、抑止効果が期待できます。
▶ 設定手順(例:ドコモやソフトバンクのiPhone)
- 電話アプリを開く
- 留守番電話タブをタップ
- 「挨拶メッセージ」を選択
- 自分の音声で録音する
※キャリアによっては「1417」などの番号からガイダンス操作するケースもあり
2. 外部機器や専用アプリを利用する
通話の録音自体も、iPhone単体では基本的に不可です。ですが、以下の方法で録音を実現している人もいます。
外部録音デバイスを使う
- ライトニング端子やイヤホンジャックに接続する通話録音ガジェット
- 通話をリアルタイムに録音&保存できる機器(例:RecMe、Call Recorder系)
通話録音アプリ(ただし一部制限あり)
- 「TapeACall」「Rev Call Recorder」など、録音サーバー経由で録音できるアプリ
- 多くは3者通話機能を使って録音するタイプ
- 無料プランは制限が多め、有料プランで使い勝手が良くなる
3. 相手にメッセージを伝える“ひと工夫”
完全な自動ではなくても、通話の冒頭に自分の声でメッセージを伝えるのも有効です。
たとえば:
「この通話はトラブル防止のため録音させていただいてます」
この一言だけで、相手の態度が変わることもあります。
録音している事実を伝えること自体は違法ではなく、むしろ予防効果が高いです。
iPhoneでは“代替策”を上手く使うのがコツ
iPhoneは制限が多いため、完全な自動化は難しいですが、
・留守番電話の活用
・録音ガジェットやアプリの導入
・自分でメッセージを伝える習慣
などの工夫で、「録音されてますよ」効果はしっかり発揮できます。
次は、Androidスマホでの設定方法と対策に進みます。
Androidでの設定方法と代替案
Androidスマホは、iPhoneに比べて自由度が高く、通話録音やカスタマイズも柔軟に行えるのが特徴です。ただし、すべてのAndroid端末で自動的に「この電話は録音されます」とメッセージを流せるわけではありません。
ここでは、Androidスマホで実際にできる設定や、代わりになる方法をわかりやすく紹介します。
1. 一部のAndroid機種には通話録音機能がある
Googleが提供する「電話」アプリ(Phone by Google)では、通話録音機能が一部の国・地域・機種で利用可能です。
▶ 主な対応機種の例:
- Pixelシリーズ(ただし一部国のみ対応)
- Xiaomi、OPPO、OnePlusなど(中国・インド向けモデル)
- Galaxy(通話録音機能あり。ただし日本版は非対応のことが多い)
録音が可能な端末では、通話中に「録音」ボタンが表示され、タップすることで録音が開始されます。
ただし、日本では法律上の理由やGoogleの方針により、録音機能が制限されているケースも多いので注意が必要です。
2. 自動メッセージを流すアプリはある?
「この電話は録音されます」というような自動音声を通話時に流すアプリは、Androidでも基本的に存在しません。
ただし、似たようなことができるアプリはあります。
代替的に使えるアプリ:
- AutoResponder(WhatsApp/SMS用):自動応答メッセージ送信に使えるが、通話用ではない
- Call Assistant:発信時の補助や録音支援機能あり(自動音声は非対応)
完全に“録音されます”と自動で音声を流すアプリは、一般ユーザー向けには出回っていないのが現状です。
3. 録音アプリを使って対策する
Androidでは、通話録音アプリを活用することで「録音されている状態」を作り出すことは可能です。録音している旨を冒頭で自分で伝えるだけでも、十分な牽制効果があります。
▶ 人気の録音アプリ例(※Playストアにて確認)
- ACR(Another Call Recorder)
- Cube ACR
- Call Recorder – Skvalex(有料だが安定性◎)
録音した通話はスマホ内やクラウドに保存でき、証拠として残しておきたい会話にも有効です。
Androidは録音も代替手段も豊富
Androidスマホは、機種やOSバージョンによってできることがかなり違います。通話録音が標準で使える端末ならかなり有利ですし、録音アプリも多種多様。
自動メッセージの再生こそ難しいですが、自分の声で伝える or 留守電の活用といった代替策で、しっかり対策は可能です。
ドコモ・au・ソフトバンクの迷惑電話対策サービス
スマホの設定だけでは限界がある迷惑電話対策。でも実は、各キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)も公式に迷惑電話防止のためのサービスを提供しています。
「この電話は録音されます」とまではいかなくても、録音機能や着信ブロックなどの機能で“それに近い安心感”を得ることができます。
ここでは、大手3キャリアが提供する主な機能や活用法をご紹介します。
1. ドコモの「迷惑電話ストップサービス」
ドコモでは、契約者向けに無料で使える迷惑電話対策を提供中。
▶ 主な機能:
- 着信時に「迷惑電話の可能性があります」と警告表示
- 事前に登録された迷惑電話番号からの着信を自動拒否
- 自分で迷惑電話番号を登録・ブロック可能
▶ その他の関連サービス:
- 「あんしんセキュリティ」アプリでさらに防御力アップ
- 「留守番電話サービス」と組み合わせて録音対応も
🔸録音を自動で始める機能はないが、相手に警告を出す=抑止力に◎
2. auの「迷惑メッセージ・電話ブロック」
au(KDDI)も、月額オプションで迷惑電話ブロック機能を提供しています。
▶ 主な機能:
- AIによる迷惑電話・詐欺電話の検知と自動ブロック
- 電話帳にない番号でも警告を表示
- 迷惑電話リストの手動管理も可能
▶ オプションサービス:
- 「電話きほんパック(330円/月)」内に含まれている
- 迷惑SMS対策や、録音機能付きのスマホと組み合わせもおすすめ
🔸「この電話は録音されます」といったメッセージは出ないが、自動検知&警告で安心感あり
3. ソフトバンクの「迷惑電話ブロック」&「セキュリティOne」
ソフトバンクは、迷惑電話・迷惑SMS・フィッシング対策に対応したセキュリティ機能を複数提供しています。
▶ 主な機能(迷惑電話ブロックアプリ/無料)
- 迷惑電話番号を自動で識別して警告
- 警告された番号はワンタップでブロック可能
- ユーザーからの報告をもとに、データベースを日々更新
▶ さらに進んだ保護:「セキュリティOne」(統合型セキュリティアプリ)
「セキュリティOne」は、迷惑SMSやフィッシングサイト対策もカバーする統合型のセキュリティアプリです。
ソフトバンクの「セキュリティパックプレミアム」などに加入することで利用可能です。
- 迷惑メッセージの自動検出&ブロック
- フィッシング・ウイルス感染リスクのあるWebサイトを警告
- セキュリティ診断や端末保護の総合サポート
録音機能について
「セキュリティOne」や「迷惑電話ブロック」アプリ自体には録音機能はありませんが、
「留守番電話プラス」などと併用することで、着信内容の録音確認が可能です。
🔸録音されたメッセージは自動では流れませんが、迷惑電話の検知精度が高く、
ユーザー評価も高いです◎
キャリアサービスを活用して「抑止力」を高めよう
「この電話は録音されます」とは流せなくても、キャリアの迷惑電話対策サービスを活用するだけで、安心感・抑止力はグンとアップします。
- 迷惑電話の自動検出&警告
- 着信拒否設定
- 留守番電話+録音機能の併用
これらを組み合わせれば、「録音されてるかも」と相手に思わせることも可能です。
「録音されます」設定を解除したいときは?
「録音されます」という設定やアプリを使っていたけれど、「もう必要なくなった」「誤って設定してしまった」「相手に誤解を与えたくない」などの理由で、解除したいと思う人もいるはず。
ここでは、「録音設定」や「警告メッセージに関わる設定の解除方法」をスマホ・キャリア・アプリ別にわかりやすく解説します。
① 録音アプリの停止・アンインストール
通話録音アプリを使っている場合、アプリを停止またはアンインストールすることで録音は解除されます。
一般的な解除方法(Androidの場合)
- 設定アプリ → アプリ管理(または「アプリと通知」)
- 録音アプリを選択
- 「無効化」または「アンインストール」を選択
▶ 端末によっては、録音アプリがバックグラウンドで動作している場合もあるので、
タスク管理アプリやバッテリー管理からもチェックすると安心です。
② 留守番電話メッセージの変更
「録音されます」というメッセージを留守電として設定していた場合は、録音し直すことで簡単に解除できます。
変更方法(ドコモ・au・ソフトバンク共通の例)
- 留守電ガイダンスメニューから「挨拶メッセージの変更」を選ぶ
- 「オリジナルメッセージ」→「標準メッセージに戻す」or 自分で録音し直す
※操作番号や手順はキャリアによって異なるので、「キャリア名+留守電変更」で検索すると正確な手順が出てきます。
③ 迷惑電話対策アプリの設定解除
ドコモ・au・ソフトバンクなどが提供する迷惑電話警告・録音連携機能も、設定でオン/オフが可能です。
例:ドコモ「あんしんセキュリティ」
- アプリを開く → 「迷惑電話対策」 → オフに切り替え
au・ソフトバンクも同様に:
- 対象アプリを開いて「着信ブロック」「警告表示」などのスイッチを切るだけでOK
設定解除は「使っていた手段ごと」に見直すのがコツ
「録音されます」の設定を解除するには、以下のどれを使っていたかを確認しましょう。
- 通話録音アプリ → アンインストールでOK
- 留守電メッセージ → 自分で再録音 or デフォルトに戻す
- キャリアの対策機能 → アプリ内でオフに設定
不要な機能は、スッキリ解除しておきましょう!
「この電話は迷惑電話防止のため録音されます」設定のよくある質問(FAQ)
ここでは、「この電話は迷惑電話防止のため録音されます」の設定や録音機能に関して、読者からよくある疑問・不安にQ&A形式で答えていきます。
- 録音されていることを相手に伝えないと違法になりますか?
-
原則、日本では相手に伝えなくても違法ではありません。
通話録音自体は、自分が会話の当事者であれば合法です。ただし、録音した内容を勝手に公開・拡散すると名誉毀損やプライバシー侵害になる場合もあるので、取り扱いには注意が必要です。
- 録音されてるかどうかって、相手にバレますか?
-
普通の通話ではバレません。が、メッセージを流したりすれば当然伝わります。
録音中の通知が出るわけではないので、録音アプリを使っていても相手には基本的に分かりません。
ただし、抑止力を目的に「録音されます」と伝える場合は、わざと知らせるのがむしろ効果的です。
- iPhoneでも本当に録音できないんですか?
-
iPhone本体だけでは基本的にできません。
iPhoneはAppleの仕様で、通話中の音声にアプリがアクセスできない仕組みになっています。
録音したい場合は、- 外部録音デバイスを使う
- 3者通話型の録音アプリ(TapeACallなど)を使う
などの方法が必要です。
- 「この電話は録音されます」のメッセージを自動で流すのは違法じゃない?
-
違法ではありません。ただし“営業妨害”と捉えられないよう注意は必要です。
自分の電話の仕組みに組み込む分には問題ありませんが、相手に過度な圧をかけたり、迷惑行為と誤解されないよう、伝え方に配慮するのがベストです。
録音は合法だけど、使い方と伝え方が大事
通話録音や自動メッセージは、使い方を誤らなければとても有効な迷惑電話対策です。でも、「安心のため」と「攻撃的な圧」の境界は意外と紙一重。
丁寧かつ正しく使って、身を守る手段として活用していきましょう!
「この電話は迷惑電話防止のため録音されます」設定のまとめ
- スマホだけで「この電話は録音されます」と自動で流す設定はできない
- iPhone・Androidともに自動音声メッセージ機能は標準で非搭載
- 留守番電話メッセージを編集することで代用が可能
- 録音済み音声を通話前に手動で再生する方法もある
- 外部の録音デバイスを使えばiPhoneでも通話録音は可能
- 通話録音アプリはAndroidで利用できるものが多い
- 録音されていることを相手に知らせると抑止力が働く
- ドコモ・au・ソフトバンクはそれぞれ迷惑電話対策サービスを提供している
- キャリアのサービスを活用することで安心感を得られる
- iPhoneの通話録音は原則として外部サービスか機器が必要
- Androidは機種によって通話録音機能の有無が異なる
- 迷惑電話対策アプリでは着信時に警告を表示する機能がある
- 自動音声メッセージアプリは一般ユーザー向けには出回っていない
- 録音を知らせることは違法ではないが、使い方には配慮が必要
- 録音内容の拡散や公開には法的リスクがある
- 録音設定を解除するには、利用している手段ごとに対応が必要
- 自動化はできないが、代替策で“録音されます”効果は実現可能
- 録音が可能なことを知っているだけで通話に安心感が生まれる
- スマホ設定だけでは限界があり、複数の手段を組み合わせるのが理想的